忙しい日の合間に。子供と楽しむ、身近な植物図鑑づくり
はじめに
毎日お仕事や子育てで忙しくお過ごしの皆様、本当にお疲れ様です。自然に触れる時間は大切だと感じつつも、「本格的なアウトドアは準備が大変そう」「時間がない」と感じていらっしゃるかもしれません。
しかし、自然は特別な場所に行かなくても、私たちのすぐそばにたくさん存在しています。近所の公園やいつもの散歩道、あるいは自宅の庭やベランダにも、小さな発見が溢れています。
今回は、そんな身近な自然の中でも「植物」に注目し、お子様と一緒に手軽に楽しめる「オリジナル植物図鑑づくり」をご紹介します。高価な道具は一切不要。短い時間で始められる、自然との優しい触れ合い方です。
なぜ植物図鑑づくりがおすすめなのか
身近な植物を使った図鑑づくりは、忙しい毎日の中でも取り組みやすく、お子様と一緒に楽しめる素晴らしい自然体験です。
- 観察力が育まれる: 植物の色、形、大きさ、葉脈の様子など、じっくり観察する習慣がつきます。
- 創造性を刺激: 見つけた植物をどのように表現するか(絵、写真、言葉)を考える過程で、お子様の創造性が育まれます。
- 手軽な記録: スマートフォンやノートとペンがあれば始められます。特別な技術も必要ありません。
- 達成感が得られる: ページが増えていくたびに、オリジナルの図鑑が完成していく喜びを感じられます。
- 季節の変化を感じる: 同じ場所でも、季節によって違う植物が見つかるため、自然の移り変わりを肌で感じることができます。
準備するもの:家庭にあるもので十分です
本格的な図鑑を作るわけではありませんので、特別な道具は必要ありません。
- ノートまたはスケッチブック: 持ち運びやすいサイズが良いでしょう。リングノートなどが使いやすいかもしれません。
- ペンまたは色鉛筆: 植物の形や色を記録するために使います。
- スマートフォン(カメラ機能): 写真を撮って貼ったり、後で植物の名前を調べたりするのに役立ちます。
- あれば便利なもの:
- ルーペ:植物の細かい部分(葉脈や花の構造)を観察するのに役立ちます。100円ショップなどでも手軽に入手できます。
- 植物図鑑や植物識別アプリ:見つけた植物の名前を調べる際に便利です。必須ではありません。
これだけあれば、すぐに始めることができます。
はじめての植物図鑑づくりに挑戦
さあ、実際に植物図鑑づくりを始めてみましょう。難しいルールはありません。まずは気軽に、楽しむことを一番に考えてください。
- 場所を選んでみる: 近所の公園、自宅の庭、散歩道の脇など、普段利用する場所で十分です。人が少なく、少し立ち止まって観察できる場所が良いでしょう。
- 今日の植物を探す: 「どんな色の花があるかな?」「変わった形の葉っぱはないかな?」など、お子様と一緒に話しながら探してみてください。無理にたくさんの種類を見つけようとせず、一つか二つ、興味を持ったものに絞っても良いでしょう。
- じっくり観察する: 見つけた植物を、絵に描いたり、写真を撮ったりする前に、少し時間をかけて観察してみましょう。「葉っぱの形はギザギザだね」「この花びらは何枚かな?」「どんな匂いがする?」など、五感を使って感じたことを言葉にしてみます。お子様の気づきを引き出してあげてください。
- 図鑑に記録する:
- ノートに絵を描いたり、写真を撮って印刷して貼ったりします。
- 観察して気づいたこと(色、形、大きさ、生えている場所、どんな虫が止まっていたかなど)を簡単に書き込みます。
- もし名前が分かれば、名前も記録しておくと、後で見返した時にさらに楽しい図鑑になります。(名前が分からなくても全く問題ありません。「名無しの〇〇」として記録するのも面白いです。)
- 日付を入れると、後で「去年の今頃はこんな植物があったね」と振り返ることもできます。
たったこれだけです。1回の活動で1ページでも2ページでも構いません。少しずつでも積み重ねていくことが大切です。
安全に楽しむために
手軽に始められる活動ですが、いくつか注意しておきたい点があります。
- むやみに触らない: 毒を持つ植物や、触れるとかぶれる可能性のある植物(ウルシ、ハゼノキなど)もあります。見たことのない植物や、判断に迷う植物は、むやみに触ったり口にしたりしないようにしましょう。図鑑にする際は、観察と写真撮影に留めるのが安全です。
- 虫に注意: 草むらに入る際は、虫(蚊、ダニなど)に注意が必要です。長袖・長ズボンを着用したり、虫よけスプレーを使用したりすると安心です。
- 熱中症対策: 暖かい時期は水分補給をこまめに行い、無理のない範囲で活動しましょう。日差しが強い場合は帽子をかぶるなど、対策をしてください。
- 周囲への配慮: 公園や公共の場所で活動する際は、他の利用者や植物そのものに配慮しましょう。許可されていない場所の植物を採取したり、踏み荒らしたりすることは避けてください。
さらに楽しむためのヒント
- テーマを決める: 「葉っぱだけ」「花だけ」「〇色の植物だけ」など、特定のテーマに絞って図鑑を作ってみるのも面白いかもしれません。
- 季節ごとに作る: 春には春の植物、夏には夏の植物というように、季節ごとに新しい図鑑を作るのも良いでしょう。
- 持ち帰って活用: 落ちている葉っぱや枝(ただし採取ルールに注意して、許可されている場所のものに限る)を持ち帰り、家でじっくり観察して描いてみるのも良いでしょう。押し花にして図鑑に貼るなどのアレンジも可能です。(ただし、手軽さを重視するなら、まずは絵や写真、メモでの記録から始めるのがおすすめです。)
おわりに
忙しい毎日の中で、自然と触れ合う時間を持つことは、心のリフレッシュにつながります。そして、お子様にとっては、身近な世界に興味を持ち、学ぶ楽しさを知る貴重な機会となります。
今回ご紹介した植物図鑑づくりは、特別な準備や長い時間を必要としません。いつもの散歩のついでに、公園で少し立ち止まった時に、気軽に始めることができます。
完璧を目指す必要はありません。お子様と一緒に「これ、なんだろうね?」「面白い形だね」と話しながら、楽しむこと。それが一番大切です。
まずは、次の週末に、あるいは今日の帰りにでも、一歩外に出て、足元や頭上を少しだけ気にかけてみてください。きっと、新しい発見があるはずです。
この小さな一歩が、皆様とお子様の日常に、ささやかな彩りを添えることができれば幸いです。